
令和6年度 賃金体系見直し実践企業事例
安定的な人材確保・定着を目指し、賃金体系等の見直しに取り組んだ企業を紹介します。
賃金体系見直し実践企業事例とは(令和6年度 山口県実施事業)
評価制度と昇給・昇進の連動や新たな手当の創出、 管理職や正社員への登用に関する要件の見直し等企業ごとの想いに対して社労士が支援を行い、 約6か月の間に、①取り組む制度の決定②制度設計③導入に向けた支援(従業員への説明等)を行いました。
賃金体系見直し実践企業事例 PR動画

実践企業
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株式会社エール
宇部市・サービス業
2020年設立。通所介護と介護予防通所介護を主な事業とし、リハビリデイサービスエールとフィットネスデイミココロを運営。理学療法士3 名、作業療法士1 名が在籍し、充実のリハビリを提供。安心・安全・高位品質なサービスを追求し、利用者はもちろん家族も満足できるサービスを目指す。企業理念は「よかった」。利用者とその家族、スタッフ、取引先、地域の人々など、エールに関わった全ての人が思わず「よかった」と言いたくなる企業となるべく邁進中。
企業紹介をみる会社概要
代表者 小泉 利治 所在地 山口県宇部市中村二丁目6番11号 資本金 1,300万円 設立 2019年 従業員 38名(2024年現在) TEL 0836-39-5857 FAX 0836-39-5861 URL https://yell-kaigo.co.jp テーマ
女性管理職登用・女性の働きやすい環境作り
取組内容
コンピテンシー(行動特性)をもとに性別に関わらず適応できる評価制度の導入
- 01前年の成績優秀表彰者の行動特性を抽出
- 02行動傾向の分析結果から評価項目を設定
- 03具体的事例をベースに採点方法を工夫
前年の成績優秀表彰者(全員女性)のコンピテンシー(行動特性)を抽出し、行動傾向を分析。その結果をグルーピングし、新たに評価項目を設定した。また、評価(採点)基準についても、誰が評価しても同じ結果となるよう、つまり、評価者が複数いても結果が一致するよう具体的事例をベースに行動頻度から採点できるよう工夫した。今回の取り組みにより、男女の性差に関わらず適用できる評価制度が完成したのはもちろん、「求める職員像」および「目指すべき職員像」も明確となった。今後、女性管理職登用の促進および女性が働きやすい環境づくりをさらに加速させ、会社全体のレベルアップを目指す。
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株式会社コウミ
下関市・製造業
1948年に製材業として山陽小野田市(旧小野田市)に設立し、株式会社神戸製鋼所との取引をきっかけに本社を下関市に移転。包装・物流梱包資材の製造販売事業、アルミ加工品事業、試験・検査・梱包請負事業の3 つを事業の柱として展開。目指すはお客様、従業員、地域社会など全てのステークホルダーに「コウミでよかった」と言ってもらえる企業。「お客様により良いものを、より早く、より安く」をモットーに未来へ向かって邁進中。
企業紹介をみる会社概要
代表者 村田 善昭 所在地 山口県下関市長府港町12番6号 資本金 1,000万円 設立 1948年 従業員 137名(2025年現在) TEL 083-246-1107 FAX 083-245-9852 URL https://www.koumi-co.jp テーマ
初任給引上げによる採用力の向上
取組内容
初任給の改定とキャリアパス、透明性のある評価制度の導入
- 01市場相場に合った賃金設定
- 02明確なキャリアパスの構築
- 03公平で透明性のある評価制度
社内にてチームを結成し、何度も協議を重ねたうえで評価項目の設定と点数配分をし、従業員が他社と比較しても魅力的に感じるような納得感のある昇給システムを構築。また、社員が自分の成長を実感できるよう、昇進やスキルアップに必要なスキルや知識を明確にし、キャリアのステップアップをサポートするキャリアパス基準書も策定した。配置された部門に関わらず、社内の共通項目にて社員の努力・成果や能力を正当に評価し、その結果を賃金や昇進に反映させる評価制度と、若手社員の成長支援と働きやすさを実現する賃金・キャリア制度の導入で、若手のキャリア不安解消と社員のモチベーションアップを目指す。
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山陽建設工業株式会社
防府市・建設業
1964年創業。創業以来、地域とともに「人々の豊かな暮らし」を紡ぐ土木・建築のエキスパート。トンネルや道路、橋などをメインに、まちのインフラを整備する工事を行う「土木工事部門」と、教育施設や文化施設、医院など、まちのシンボルとなりうる建物の工事を行う「建築工事部門」の2つの事業をメインに、人々の暮らしと地域がより豊かになるよう努める。目標は大手ゼネコンに負けない技術力で地域の発展に貢献すること。
企業紹介をみる会社概要
代表者 塩田 唯 所在地 山口県防府市大字新田532-1 資本金 7,500万円 設立 1964年 従業員 53名(パートを含む) TEL 0835-23-2441 FAX 0835-23-5200 URL https://www.sanyokk.co.jp/ テーマ
若年層の賃上げによる定着率の向上
取組内容
若年層でも公平な評価項目・評価基準の導入により収入アップがめざせる
- 01職種ごとの評価項目の設定
- 02数値により採点できる基準の設定
- 03個人ごとに得手不得手を反映させた個人目標の設定
工事の種類によって働き方に大きな違いが発生する中、個々の意欲を削がないよう、できるだけ不公平感のない評価項目・評価手法を設定する必要があったため、職種(管理者・現場技術者・営業・事務)ごとに会社業績に反映される評価項目を設定し、数値により採点ができる採点基準を導入。各目標の評価項目に数値目標を示したことで「やるべきこと」も明確になった。また、若年層において知識・経験不足がマイナス評価につながらない制度にするため、各人で設定できるコンピテンシー目標を設定できるようにし、得意分野を評価に反映できるようにしたことで、若手のモチベーションアップにつなげる工夫をした。
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有限会社エヌ・アルファ
下関市・サービス業
1995年創業。「感動の空間づくり、心をこめた“会”のお手伝い」を掲げ、イベントやセレモニー、コンベンション等の司会・アシスタント・演奏者等の人材総合請負、企画・立案・設計・運営を主な事業とする。また、「思いやりとおもてなしを根底とした真のマナー」を世に広めるべく中小企業向けの新人マナー研修などを行うほか、演奏者養成講座・ブラッシュアップ講座なども実施。経営理念は、「心を込めて、感動に値する一言・一動・一音を提供します」。
企業紹介をみる会社概要
代表者 二宮 多美枝 所在地 山口県下関市川中豊町2丁目7-10 資本金 300万円 設立 1995年 従業員 15名(2022年現在) TEL 083-253-8221 FAX 083-253-8201 URL https://n-alpha.jp テーマ
初任給引上げによる採用力の向上
取組内容
相場に合った初任給、キャリアパス、評価制度と賃金制度の導入
- 01山口県の初任給や同業種の賃金相場の調査
- 02キャリアパスとそれに連動した賃金制度の構築
- 03新たな評価制度の構築
目指すべき目標と必要なスキル・経験を明確にしたキャリアパス基準表を作成。各等級に必要な知識技能はプロセス展開表にて、本人の情意や目標に対する取り組みは自己評価票にて評価する。なお、プロセス展開表は昇格・昇進に、自己評価票は賞与に反映。加えて、各等級における標準賃金を示した賃金表も作成。作成にあたっては、山口県の初任給や同業種の賃金相場の調査を行った。社員の自己把握による効率的なスキル向上、定型的な業務遂行ではなく、付加価値のあるサービスの提供により業績が上がり、それに伴って賃金が上がることの明示によるモチベーションアップと利益目標への意識向上および定着率アップを目指す。
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有限会社御堀堂
山口市・和菓子製造販売業
1927年、山口外郎の元祖福田屋の味を引き継ぐ唯一の外郎屋として創業し、まもなく100年を迎える老舗企業。北海道産小豆を使用した自家製の漉し餡と国産の極上本わらび粉を練り合わせて蒸し上げ「外郎らしさ」の品で優しい味わい、瑞々しい舌触りかつほどよい弾力と類のないおいしさを誇る。外郎専門店として、伝統的な山口外郎の味わいを守りながらも、外郎を楽しんで味わってもらうためのさまざまな工夫にも取り組んでいる。
企業紹介をみる会社概要
代表者 田中 真樹 所在地 山口県山口市駅通り1-5-7 資本金 4,000万円 設立 1927年 従業員 60名(パートを含む) TEL 083-902-3880 FAX 083-941-5422 URL https://www.mihorido.com テーマ
若年層の賃上げによる定着率の向上
取組内容
若年層の賃上げを目的とした人事制度の構築
- 01評価チェックシートの作成
- 02昇給表の作成
- 03人事制度運用マニュアルの作成
製造に関するそれぞれの工程を文字化することで、技能評価につながる作業の洗い出しを行って評価チェックシートを作成。評価ポイントは重要度や難易度等を加味した上で具体的に設定した。また、技術面だけでなく、マナーや協調性、コミュニケーション能力など行動面についての項目も盛り込み、若年層でも高評価を得ることが可能な環境を構築。等級制度については、それぞれの等級に求められる習熟度を明確にして設定し、等級に応じた昇給表も作成した。また、人事制度を取り入れることで経営者側と従業員の判断がしやすく材料としてあたため、制度運用に関わる細やかな運用マニュアルを作成し、1部門ずつ導入することとなった。
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株式会社こ熊や
山口市・飲食業
大阪府北区で腕を磨いた代表が、2004年、地元・山口市湯田温泉にて「酒肴こ熊や」を開業。2016年、現在の地に移転し、「新創作こ熊や」を開く。その後、常連客のリクエストに応える形で小皿専門店「小熊屋咖喱」を立ち上げ、2022年に湯田店を、2024年に宇部店を開店。「期待以上のお役に立つ」をコンセプトに、お客様、地域の皆様に愛される店づくりを心がけ、料理、空間、接客など提供する全てにおいてその質を追求する。
企業紹介をみる会社概要
代表者 原田 啓介 所在地 山口県山口市湯田温泉1-2-1 白狐ビル1F 資本金 1,000万円 設立 2004年 従業員 30名(パートを含む) TEL 083-932-6155 FAX 083-932-6155 URL https://www.kogumaya.jp テーマ
若年層の賃上げによる定着率の向上
取組内容
「目指すべきもの」が明確かつ公平な評価制度で定着率アップを目指す
- 01従業員の理想的な働き方・給与額・福利厚生、代表の求める人材のヒアリング
- 02従業員の業務内容の洗い出し
- 03人事評価シート、人事制度運用マニュアルの作成
代表の求める人材のヒアリングと従業員の業務内容の洗い出しを改めて行ったことで、これまで曖昧になっていた会社が求める人材、能力、仕事内容を明確にした。また、従業員およびその家族に理想的な働き方や給与額、福利厚生のヒアリングを行い、その内容を踏まえて公平な事務評価・昇給を行うための評価シートを作成。同時に評価ごとの昇給基準を数値化し設定した。なお、評価シートについては等級ごとに評価項目を分け、従業員が「次に何を目指すべきなのか」をよりわかりやすくし、向上心を持って業務に取り組めるようにした。新しい人事評価制度の導入により、さらなる人材育成と定着率の向上、新たな雇用を目指す。
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